2012年10月08日

岡崎由美先生と行く中国の旅2012 武当山武侠ツアー その7・絶世神功

休息後、夕方4時前になり待望の史飛先生の演武を見られることになった。
中観の三清殿の前で、我々はカメラやビデオを構えて見守った。

2012年武当山武侠ツアーマップ
http://goo.gl/maps/JbBYg

2012bu022map.jpg武当山マップ

ちなみに三清というのは、道教の最高神の元始天尊、霊宝天尊(太上道君)、道徳天尊(太上老君)の三柱の神であり、それぞれが住まう玉清境、上清境、太清境という仙境のこともいう。道徳天尊(太上老君)は老子のことだ。
その三清尊神の前に、史飛先生が普段と変わらぬ足取りで歩み出た。
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武当太極拳老架108式。またの名を三豊太極拳。
様々な太極拳を映像やネットで見てきたが、どれとも一致しない。武式太極拳に似た動作はあるが、やはり違う。これまで見た武当太極拳と名がついたものとも全く違っていた。
しかし、紛れもなく太極拳の動きはそこにあった。
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終盤にある包拳する動作などは、もちろん他で見たこともなく道教門派特有のものだろう。化手仙童拜祖という動作だ。
緩やかで澱みのない史飛先生は老架108式を10分半で見せてくれた。私なら動きを覚えられたとしても気力が続かないだろう。つい動きを早くして端折ってしまいそうだ。
我々は惜しみない拍手を史飛先生に贈った。
武当太極拳老架108式はどこから来たものなのか。史飛先生が大きく改変するとは思えないので、それ以前からあったものと考えるのが妥当だろう。
史飛先生の師・郭高一道長は名人として名高く、特に内功では南郭北匡と呼ばれた。南郭は郭高一道長、北匡は嶗山派の名人・匡常修道長。史飛先生は、「飛腿太保」の異名を持つ匡常修道長からも嶗山腿法を学んでいる。
郭高一道長が武当太極拳を学んだのは、武当山に入る前だったという。武当三豊自然派第23代掌門人・楊信山から最初に学び、かつて武当山総掌門を務めた徐本善の愛弟子で全真教龍門派の重鎮・唐崇亮からも学んだ。
三豊派と全真教龍門派の関係は深く、丘処機を祖とする明初の全真教龍門派四代目弟子・丘玄清が張三豊の教えを受けたこともあり、武術に関しても武当山以外でも武当拳が形を変えながら伝わっている。
武当三豊自然派には「太極」と名がつく武術が多数伝わっており、史飛先生が見せてくれた老架108式もそのいずれか、もしくはそれが変化したものではないかと推測する。
絶世高手から伝わる武術。これからも途絶えることがないことを祈る。

さて、達人の域などはるか空の上な我々は、これまで教わった基礎を繰り返し練習した。
金頂まで登った疲れからか、「放鬆」出来ていないと指導をうける。
史飛先生にとっては至らぬ弟子だっただろうが、我々にとっては貴重な体験だった。
師父に包拳して、今回の武術修行は全て終了した。

ここから山麓まで乗換えずに降りるバスがあるとのことで、それに合わせて中観を出る。入り口の鶴の彫像に子供を跨らせて写真を撮る親がいた。それはまずいんじゃないかと…。
夕方5時頃バスに乗り込む。疲れが溜まっているため、うねうねと曲がる道を揺られるのはあまり気分が良くない。
しばらくすると途中の八仙観のバス停で止まる。休憩か?かなり長く止まっていたので、私は外に出てみた。
2012bu098.jpg八仙観の茶畑
八仙観の緑の茶畑が斜面に広がっていた。気温差の大きい山の斜面などで、良質のお茶が取れる。
ここからもう少し下のほうが、一面の茶畑のようだ。
バスが出発。瓊台から1時間弱で麓についた。
駐車場近くの土産物屋で買い物するが、探していた長命鎖などはどこにもなかった。中観の店にもなかったので、おそらく紫霄宮あたりの店くらいしかおいてなかったのかもと思った。

久しぶりに襄陽から乗ってきたバスに乗り込み、武当山市街地にあるホテルに向かう。
やはり勝手にリクライニングするが、まあいい。
夜7時から夕食。精進料理という話だったが、精進は半分程度だった。
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このあたりは普通の料理。
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これらは精進料理。白っぽいのは、わさび醤油をつけるとアワビ風の味になる。でもワサビ効きすぎ(^^;

ホテルに付いた後、史飛先生が中観にあった忘れ物を届けてくれた。しかし、史飛先生の携帯も行方不明になっていて、しょんぼりと帰っていったそうだ。・゚・(ノД`)ノ

夕食後、邱チャンの案内で散歩がてら夜の街に出る。といっても店は閉まっているので、雰囲気を感じるだけのもの。ホテルは何故か派手なネオンで輝いている。
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川沿いには夜市が出ていた。川もライトアップされていたが、見えるのは工事車両。ここも8月初めの大雨の影響があったようだ。
街は中国の地方都市のよくある風景。まだ夏の暑さが少し残るので、建物の前に椅子を出して涼んでいる家族がたくさん見られた。麓とはいえ武当山の山の上とは別世界だ。
夜9時過ぎにホテルに戻る。明日は朝9時出発なのでゆっくりできそうだ。

…と、眠りについた時には、翌日に起こるアクシデントなど想像できるわけもなかったのです。

次回 襄陽受難 に停まります。


ラベル:武侠ツアー
posted by 八雲慶次郎 at 15:57| 兵庫 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする
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