2010年07月07日

岡崎由美先生・旅の講座「空飛ぶチャンバラの作り方」のこと

二十一世紀旅行が企画するツアーにあわせて「旅行を楽しむ前に!旅行のきっかけに!」ということで中国の歴史と文化、旅に関する講座が度々開かれています。
今回は9月の「岡崎由美先生と行く中国の旅・武侠ドラマ撮影の聖地・横店影視城と金庸ゆかりの地を訪ねる」ツアーに先立って「武侠ドラマ撮影の聖地・横店影視城のこと」をテーマに特別講座がありましたので参加してきました。

講座のひと月前に岡崎先生に聞いたところ、まだ何もネタ考えてない、とのことだったのではたしてどんな内容になるのだろうか…と期待しつつ7/2に上京した。



ホテルにチェックイン後、しばらくして会場の学士会館に向かう。幸いほとんど雨に降られることはなかった。
少し早いが中に入り3階へ。どの部屋かと探していたらサリーちゃんに遭遇…と思ったら、昨年の雲南で添乗してくれたT姑娘でした。イメチェンして一瞬わからないくらい(不覚っ!)でしたが期間限定らしい。(謎)
なんとなく隣に立って、一緒に受付していると見せかけておしゃべりしていると岡崎先生が到着。
ご挨拶をすると、私が勢いで作った影視城マップを資料に使ってくださるという。
こんなことならもっとしっかり作るのだった(^^;
その後、段正淳の婿として認識されているよ~さんや謫仙さん、Kさん、Wさんなど雲南参加組もぞくぞく到着していよいよ講座が始まった。

・中国の「影視城」
「影視城」というのは、映画やドラマの撮影のセットというだけでなく、観光のためのアミューズメントパークを兼ねている娯楽施設です。中国大陸の広大な土地を利用して巨大な影視城が近年たくさん作られています。
↓画像は雲南大理の天龍八部城
0822t00.jpg0822t01.jpg
↓今回資料に使っていただいた影視城マップ
eishijo.jpg
↓Google Mapで詳細な場所が確認できます。
http://is.gd/cVfEo

・中華武侠映画独自の特撮
「飛簷走壁、踏雪無痕(ひえんそうへき、とうせつむこん)」
軒を飛び壁を走り、雪の上に足跡を残さない……軽功表現をどうやって見せるか。
ワイヤーワークはそこから考え出されました。
最初に使われたのは1928年の「火焼紅蓮寺」。香港ではなく大陸の武侠映画です。
しかし、戦争、文革などで大陸では廃れ、60~90年代の香港台湾でワイヤーワークが花開くことに。1964年に香港で作られた「如来神掌」が大ヒット。ワイヤーワークのほか、トランポリンや早回し逆回し、フィルムにペイントするなどさまざまな特撮で武侠の超人的な技を表現しました。
一方で胡金銓(キン・フー)は特撮を極力使わず、京劇の要素を取り入れたアクションで多くのファンの心をとらえた。(「侠女」「大酔侠」「龍門客棧」など)
胡金銓の後継者と自認する徐克(ツイ・ハーク)は、逆にワイヤーワークを大きく発展させることになる。(「蜀山奇傅 天空の剣」「スウォーズマン」「ワンチャイシリーズ」など)
武術指導家の袁和平(ユェン・ウーピン)は、世界にカンフー・アクションとワイヤーワークを広める。マトリックスがヒットしたのが1999年のことだ。

また西部劇や黒澤映画を思わせる「双旗鎮刀客」(1990年)などが製作され、大陸での映画が活発化してくるがワイヤーワークなどはまだ使われていない。
張芸謀(チャン・イーモウ)は、「HERO」(「英雄」)で長年廃れていた大陸にワイヤーワークと武侠作品へのさらなる活気を持ち帰ることになる。

・古典小説のぶっ飛んだ剣戟描写
剣は他の武器とは別格で、剣仙といった人間離れした存在しか扱えない恐るべきもの。
剣を小さく折りたたみ口や耳に収め、自在に出し入れする超人たち。
輝く眩しい剣気が大木を一瞬で細かい木屑に切り刻んでしまう。(酉陽雑俎)
唐代あたりですでにそういった表現が使われていたが、現代のSFやCGのようだ。

・中国伝統演劇では
日本の歌舞伎では「宙乗り」があるが、中国伝統演劇ではない。
多くは露天で演じられることが多く、大道具が使えなかった。紫禁城の戯台など三層の階層があるところでは、裏で俳優をロープで上げ下ろしはしたものの演出としては使われなかった。
中国伝統演劇では、時間と空間は俳優の歌唱と様式的な体の動きで表現される。歌い歩き手にもった道具を動かすことで、千里を移動し馬に乗り大軍を指揮することができる。
そのため中国伝統演劇の古くからのファンは、ワイヤーワークなどの特撮が組み込まれた新しい中国伝統演劇を好まない人が多い。

「グリーン・デスティニー」や「マトリックス」などの映像を合間に見つつ、さまざまなアクションの表現を解説していただきました。
様々な映画やドラマのアクションの背景にあるものを垣間見られたように思います。
岡崎先生、ありがとうございました!二十一世紀旅行さん、楽しい企画ありがとうございました!
私の文章ではあまり伝わらないかもしれませんが、とても興味深く楽しい講座ですので次の機会には皆様もぜひどうぞ!


講座の後、会場の学士会館の中にあるビアホール(数日前には魁皇が来ていたらしい)にて岡崎先生たちと歓談。
楽しい夜の一時はたちまちのうちに過ぎていってしまった。しゃみー!?
ああ、もっと時間がほしかった。
ラベル:武侠
posted by 八雲慶次郎 at 00:12| 兵庫 🌁| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする
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