2016年09月18日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その7 8月21日

2016山東ツアーマップ

20160821k4a.jpg武大郎
水滸影視城のMVPはこの人、武松の兄・武大郎です。なぜかは後ほど。
普段は炊餅を棒手振りで売り歩いています。炊餅とは、焼餅を焼くのではなく蒸したもの、つまり平べったいマントウのような物らしいのですが、ここでは薄い煎餅のようなもので甘いの辛いの五香などの種類があり、3つで10元とお買い得なのでなかなかの売れ行きでした。
20160821k4.jpg大忙し
王さんも後でおやつにと3つを購入。後30分ほどでアトラクションがあるということで、ゆっくりと移動していると何やら人だかりが。
20160821k5.jpg撮影中
何か古装物の撮影が行われている。しかし、撮影しようとしていると、鐘楼の鐘をガンガン鳴らしまくる客を止めに行ったり、ぐずっている赤ちゃんを抱いたお母さんを追い出したりと音は気にするものの、撮影そのものにあまり緊張感もなく、内容もただ歩くだけなので、もしかしたらアトラクション的な撮影なのかもしれない。
まだ時間もあるので土産物屋が入っている建物へ。
20160821k6.jpg10日でマスター!九陽神功
20160821k7.jpg八卦掌に形意拳…後ろは乾坤大揶移!
20160821k8.jpgこちらは内功サークル
20160821k9.jpg降龍十八掌もあるよ!
建物の2階は、ちょっと微妙な品揃えの出店が一つ。
20160821l.jpg
ここで岡崎先生の目に止まったのが、スヌーピーの手回し扇風機。鼻がプロペラ状になっていてハンドル回すと風か来るという明らかなバッタもんだが、なかなか風量もあるようで先生が気に入ってご購入。
数回まわした時点でプロペラが変形しはじめるというクオリティも、それらしくてナイスである。
20160821l1.jpg2階から撮影現場が見えた

そろそろアトラクションの時間になるので移動する。内容は「李員外招親」。員外は無役の金で買える官職で、金持ちを表すステイタスみたいなものだ。つまり、金持ちの李さんの娘の婿取りである。
婿取りといえば雲南武侠ツアーで大理天龍八部城を思い出す。あの時は段正淳の娘の婿取りだった。
天龍八部城の記事
するとそこに…
20160821l3.jpg武大郎、再登場
荷を担いで武大郎が登場。王さんがもう買ったよと言うと、それより新しいのがあるから交換してやろうと無償で変えてくれた。武大郎いい人過ぎる。(儲からない)
ここでも次々と売れていく炊餅。(儲かるのかも)
見物客が集まり始め、そろそろアトラクションの時間になるころ、武大郎はさっと"スマホ"を取り出し何かを確認すると、荷物を置いたまま小走りに階段を登り建物の2階に向かった。
20160821l4.jpgこんなところに
「李員外招親」が始まり、なんと武大郎は太鼓の演奏も担当していた。しかも、なかなかの腕前!
20160821l4a.jpgドラマー・武大郎
李員外が登場し、話もそこそこで娘も登場。手に持った赤い毬を投げて受け取ったものが婿候補になる寸法だ。
20160821l5.jpg
雲南では投げるふりを何度もして盛り上げていたのだが、ここでは割りとあっさり投げ少年がゲットした。
拉致られた少年は衣装を着せられ建物の2階から登場。
20160821l6.jpg李員外、気に入った模様
20160821l7.jpg即、婚礼の儀
恙無く終わった「李員外招親」だが、私には多種多芸な武大郎の印象ばかりが残ったアトラクションだった。

その後は、湖を眺めようと移動するが民族園というエリアがろくに整備されていないため通行禁止らしく、城門の上から見ることにした。
20160821l8.jpg城門となぞのミニコースター
ミニコースターも放置されているのかと思ったら、後で動いているところをナニ陛下が目撃したらしい。
城門に上がる階段は、出来の悪いレンガを並べただけなので崩れているところも多く危なっかしい。
20160821l9.jpg20160821m.jpg
破城槌も放置気味。
20160821m1.jpg
東平湖は川の向こうらしいがほとんど見えない。
城門を降りて、あちこちを覗きながら戻っていくことにした。
我々が道観を見ている時に、ミニコースターが動いていたそうだ。お化け屋敷を横目に見ながら、十二支の石像とポーズを取るナニ陛下を撮影する。
帰り道に武大郎が腰を下ろして休憩していたので、ナニ陛下が手を振ると武大郎も笑顔で手を振っていた。いい人だ。
出口近くの広場にある謎のオブジェと並んでカンフー・パンダのポーズを取るナニ陛下を撮影する。

影視城を出ると昼食だ。バスに乗り込むが数分もせず到着。
水滸度假酒店のレストランで食事する。
20160821m2.jpg20160821m3.jpg
20160821m4.jpg20160821m5.jpg
20160821m7.jpg20160821m8.jpg
20160821m6.jpg特色粥?
曲阜でもあった特色粥と同じものかは不明だが、作るのにかなり手間がかかるらしい。東平粥というのがあるらしいので、それかもしれない。
聊斎志異の作者・蒲松齢は山東の人で一生のほとんどを山東で過ごしたそうです。『客邸晨炊』という詩の中で、貧しい暮らしだが朝食に粥を煮て野菜を調理する様子をいきいきと描いていて、食事を楽しみにしていたのが伺えます。
山東は昔から粥が好まれ、多くの種類の穀物がとれることもあり粥も様々なものが食べられていたようです。
なぜここで蒲松齢の話を出してきたかというと、翌日の泰山でもネタとして書く予定だからです。
でもまだ8/21の半分しか進んでいない(;´д`)ノ
20160821m9.jpg水滸108星全部いるらしい
水滸度假酒店のロビーにある巨大レリーフ。上の方の人物はかなりてきとーな気がする。

昼食後は水泊梁山へと向かう。

つづく


ラベル:武侠ツアー 武侠
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2016年09月14日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その6 8月21日

2016山東ツアーマップ

朝8時過ぎに曲阜のホテルを出てバスで出発。
バスの屋根に街路樹があたって音がする。葉っぱにしては音がうるさいと思ったら豆だった。
20160821a.jpg槐の豆
おそらく槐の木だろう。豆ではなく5月頃に咲く花を摘んで「蒸槐花」という料理にするそうだ。
トウモロコシの粉と混ぜて蒸したものを炒めるらしい。今回は旬ではないので食べられず残念。
曲阜市を出て高速道路で西に向かう。一面に広がるのはトウモロコシ畑だ。
20160821b.jpgトウモロコシ畑
45分ほどして今度は北へ進む。目的地のある東平県に入る。高速を降りると蓮がたくさん植えられている。
20160821c.jpg
蓮の実や蓮根の産地かもしれない。今は東平湖という小さめの湖くらいしか無いが、かつては周囲八百里といわれる沼沢地帯だったので、今もその影響が残っているのかも。

バスに揺られること1時間半。東平水滸影視城に到着。
20160821d.jpg東平水滸影視城
20160821f.jpg20160821h.jpg
東京ドーム6.5個分らしい。
20160821e.jpg演目表
アトラクションの時間とはだいぶずれている気がするが、まあ幾つかは見れるだろう。
ベテランだという影視城のガイドさんについて入場。
20160821g.jpg時間が合えばここでイベントだが
20160821i1.jpgどこかで見たような…
入ると大きな広場があり、宋代の町並みへと続いていく。
20160821i2.jpg20160821i3.jpg
よくある武器のオブジェだが、よく見ると主な水滸英雄の得物が並んでいる。だが本来長柄の武器ではない鈎とか鉄鞭などまで柄をつけているのでわけのわからないものになっていた。
鈎なんて刃のつき方が反対になっていて意味不明すぎ(ーー;)
20160821i4.jpg真ん中は鐘楼
20160821i5.jpg役所
20160821i6.jpg岡崎先生の解説
周囲八百里の沼沢地帯は黄河が大きく流れを変えたことで干上がり、今は見る影もない。
しかし、それが広い穀倉地帯が生まれることになったともいえるだろう。
水滸伝の時代は、陸路での行き来が困難なため梁山泊のような賊があちこちに寨を作って立てこもったのだろう。

20160821i7a.jpg魯智深
アトラクションでは演武も見せる魯智深の役者さん。でも他の時間は…
20160821i7.jpg着付け
子供にコスプレ衣装を着せたり武器を持たせたりと大忙しです。
20160821i8.jpg錫杖(月牙産)を持つ王さん
コスプレ用ではなく演武用で、多分10キロくらいはある。
20160821i8a.jpg黒旋風李逵の斧を持つ王さん
この斧も結構重い。でも王さんが持つとどっちも重そうに見えないか…。
20160821i9.jpg輪投げ
そんな中、ナニ陛下は輪投げのブタが気になって仕方がなかったらしい。
20160821j1.jpg20160821j2.jpg戦車
人力で動かし、丸い穴から槍を突き出して攻撃する。
20160821j3.jpg御龍坊
この付近で演武のアトラクション「大地英雄」というのをやっていたのだが、前まで行く頃には終了していた。
20160821j4.jpg自然の岩山
ここから謝霆鋒が飛び降りる撮影をしたらしい。「剣侠情縁」だろうか。

水滸英雄で一番人気は武松だそうだ。影視城でも武松関連のセットが多いそうだ。
その場所、文明鎮に入る。
20160821j6.jpg文明鎮
20160821j5.jpg軒下で
何かの撮影中で、よく見ると軒下で衣装を着た役者さんが休憩中。
20160821j7.jpg武松の兄・武大(武大郎)の家
20160821j8.jpg歓迎光臨
およそ似つかわしくない看板に、岡崎先生も激写する。
20160821j9.jpg20160821k.jpg
武松の部屋には、虎の皮や戒刀が置いてある。戒刀はもともと僧侶が袈裟の布を裁断するときのもので、殺生はいけないという戒めの刀なのだが、ドラマや小説で斬りまくっているところは見ても、戒められているシーンを未だに見たことがない。謎である。
あ、この微妙に可愛らしい虎皮はアマゾンでも買えます。ホワイトタイガーもあるよ!
20160821k1.jpg武大郎の家の二階
ここの窓から潘金蓮が顔を出したところを西門慶に見初められる。二階に上がるには別料金をとられるので上がらずじまい。
20160821k2.jpg王婆茶館
西門慶が王婆に金を渡して潘金蓮をここに呼び出したところだが、ここではお茶を飲みながらアトラクションを見ることができる。やっとまともに見られる出し物がきた!
20160821k3.jpg山東快書
演目表には「説書表演」とあった。内容は「宋江、閻婆惜を殺める」だ。岡崎先生によると、山東の方言がかなり入っていて聞き取りにくいらしい。私は全部わからないから雰囲気を楽しむことにした。
この講釈は、ただ語るのではなく両手の鳴り物を使いながら、独特の節回しをする。
竹の板をカスタネットのように使い、もう一方でシンバルのような妙鉢(みょうばち)のようなのでアクセントをつけていた。
これを「山東快書」といい、竹の板を使うので竹板快書ともいうらしい。
迫力ある熱演に拍手喝采され、岡崎先生はおひねりを渡していた。

そしてこの後、水滸影視城での真のMVPに出会うことになる。

つづく


ラベル:武侠ツアー 武侠
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2016年09月10日

第12回武侠迷大幇会 参加者募集中

第12回武侠迷大幇会はただ今参加者募集中です。

日時  11/12(土)18時開場 18時30分開始 21時30分終了予定
会場  チャイナビストロ 青蓮 田町店
http://r.gnavi.co.jp/e188522/
港区芝5-33-8 第一田町ビル地下1F
     JR田町駅 徒歩3分 地下鉄三田駅 A6番出口 徒歩1分
費用   4,500円(飲み放題付)
ゲスト  岡崎由美先生
[ここに地図が表示されます]


お申込はこちら
申込締切は10/31 PM24:00 までです。

武侠関連の賞品が当たる抽選などを予定しています。
ご不要になった武侠(中国)関連グッズなど(観終わったDVDや本など)ありましたらお持ちください。抽選の賞品として活用させていただきます。

皆様のご参加お待ちしております!
ラベル:大幇会 武侠
posted by 八雲慶次郎 at 21:55| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする

2016年09月08日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その5 8月20日

2016山東ツアーマップ

「令狐冲」ではなく、我々は闕里賓舎の「孔府家宴」の夕食だ。
我々の他にもたくさんの宴会が開かれていたが、その脇をすり抜け一番奥の部屋へ入る。王さん曰く、一番奥が一番いい部屋。
入るとすぐに目についたのがこれ。
20160820w.jpg福の剪紙
テーブルにはすでに幾つかの料理が並んでいる。
20160820w1.jpgサンザシで作った福
あと棗、落花生、龍眼、スイカの種(西瓜子)があり、これは棗の発音が「早」と同じ、落花生の「生」、龍眼の別名・桂圓の桂の発音が「貴」と同じ、瓜子の「子」、で「早生貴子」の語呂合わせになっており意味は「早く子宝に恵まれる」→「子孫繁栄」になる。昔は子供が増えるほど幸福もたくさん訪れるとされていたからだとは思うが、普通は結婚式とか新婚のお祝いとかで出すはずなんだが(^^;

宴会が始まり、次々と料理が運ばれてくる。
20160820w3.jpg
これを岡崎先生がぱっかーんと割って
20160820w4.jpg
こうなります。外側はパイ生地みたいなものだった。中は骨付き豚肉。肉は大変柔らかくて美味。
20160820w2.jpg飾りは麺
麺は長寿を表します。800年生きたという仙人・彭祖から来ています。でも食べるのはエビw
20160820w5.jpg陽関三畳
「陽関三畳」というのは、王維の七言絶句「送元二使安西」を元にした古琴の曲名らしい。
薄焼き玉子に鶏肉や野菜などを挟んでいます。
20160820w6.jpg春秋論語
冬瓜に論語の文字を彫り、大根などで筆も作ってあります。
20160820w7.jpg魯壁蔵書
焚書坑儒の折に、貴重な書物(竹簡)を守るために壁に埋め込んで隠したという逸話からきています。
クレープ状のものでキュウリや肉が巻いてあります。
20160820w8.jpg山東ダック
山東愛溢れる王さん曰く、北京ダックの起源は山東ダックで、皇帝が持ち帰ったものの美味しさが再現できず、アヒルなどを北京で飼育するなど工夫したが、葱だけは今でも山東産を使うという。南京(金陵)が起源という説が知られている。
20160820w9.jpg孔府家酒
アルコール度数52度の白酒。飲みやすいがゆえに危険な悪魔。
20160820w9a.jpg清蒸桂魚
魚はメインディッシュです。
20160820w9b.jpg20160820w9b1.jpg
野菜も豊富です。
20160820w9c.jpg孔府三套湯
古代の酒器のような器には、雌鳥、鴨、豚を煮て濾すこと3回繰り返して作る上品な味のスープ。
20160820w9d.jpg20160820w9e.jpg
デザートの細工も凝っていました。でもスイカは水くさかった(^^;
ほかにも、銀杏をほんのり甘く味付けした「詩礼銀杏」や、豆腐やキノコなど多彩な料理は皆美味しかったです。
孔府家宴のパンフがホテルの各部屋にもあったので、持って帰ってもいいものかと確認したらOKでした。
でも聞いた本人が持って帰ってくるの忘れました(^^;

料理に満足して部屋に戻る前に、皆で売店を覗くことに。やはり孔子に関するものがたくさんある。
そんな中、目に止まったのがこれだった。
20160820x0.jpg20160820x1.jpg
孔子鉛筆削り。
孔子だから文房具というのはわかる。鉛筆削りというのも、まあ有りだろう。
しかし、孔子の眉間に鉛筆ぶっ刺して削るという構造はいかがなものか?
孔子様の眉間の奥にギラリと光る刃…。削るときには右耳を押しながらフェイスオープン!
どうも数年前に行われた、孔子のキャラデザコンテストの入賞作が元になってるみたいだ。
孔子様のあまりの扱いに心惹かれてしまった岡崎先生は黄色をご購入。私は赤と青を購入。大幇会の景品に並んでいることでしょう(^^;

こうして曲阜での一日が終了。部屋には鉛筆がなかったので、明日は水滸伝鉛筆とかないか探そうといいつつ、それぞれの部屋に引きあげた。

つづく

ラベル:武侠ツアー 武侠
posted by 八雲慶次郎 at 23:28| 兵庫 ☀| Comment(2) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする

2016年09月07日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その4 8月20日

2016山東ツアーマップ

曲阜市内を北へと進み、三孔のラスト「孔林」に到着した。これも正式には「至聖林」という。
20160820u.jpg至聖林 入口
孔林は、平たく言うと孔子と一族の広大な墓所である。孔子の墓だけならまだしも、他の墓をめぐるにはカートに乗って移動するくらいに広い。
20160820u0.jpg孔子直系に近いほど立派なお墓
カートで進むと両側に雑木林が続くが、その合間に無数の石碑や土饅頭が並んでいる。
ここには約10万人もの墓があるという。今でも孔姓の人なら、犯罪歴がないなどの条件を満たせば孔林に墓を作ってもらえるらしい。家より墓のほうが高いと言われる中国だと、孔姓の人には朗報なのかもしれない。
20160820u1.jpg孔家に嫁いだ乾隆帝の娘の墓
20160820u2.jpg孔子直系の墓
15分ほどかけて一周してカートを降り、孔子の墓へ向かう。
20160820u3.jpg洙水橋
この橋のあたりが魯と斉の国境だったそうだ。
孔子が死後埋葬された(もっともここに遺骨はない)時にはここに川はなかった。数百年後、秦の始皇帝が焚書坑儒の際に孔林にも手を付けようとしたところ、ここに川を作り赤く染めれば風水の脈を断ち孔子の子孫は絶えるだろうとの進言を受けて実行した。それにより、後に直系の子孫がおらず養子を取ることになる。
…のだが、さほど遠い親戚でもないのでなんの効果もなかったともいえる。
さらに、こんな逸話もある。死期を悟った孔子は墓所の相談を弟子にしたが、あえて川を作らないようにと言った。なぜかと弟子が問うと、後に秦人が補ってくれるだろうと。
つまり、後の世に秦の始皇帝が風水を完成させてくれると予言していたという話だ。でもまあ、孔子贔屓の創作っぽい話である。
20160820u4.jpg参道

ここで360°画像。
孔林360°画像

たくさんの観光客(参拝客)が行き交う中、突き当りまでいくと孔子の墓がある。
20160820u5.jpg孔子墓
たくさんの花が供えられお参りする人が絶えることがないのが伺える。
墓碑には「大成至聖文宣王墓」と彫られているが、王の字の縦棒が長いのは現世の王に憚ったもののようだ。
孔子の墓も、文革のおりの破壊を免れなかった。
孔子が亡くなったとき、子貢が小屋を立てて喪に服したらしい場所を見つつ、一行は元来た道を戻り数百メートルほどだがカートに乗って入口まで。

この時16時。まだ時間も早いのでホテルまで例の馬車に乗って帰ることにした。
20160820v.jpgこれに全員乗れるの?
御者入れて14人を詰め込んで馬車は走りだした。14人というが王さん(巨体)が二人分くらいあるのではないかと思うと、お馬さんに同情してしまう。
しかし、このお馬さんは並の馬ではなかった!重さを物ともせず、先を走る数人しか乗っていない馬車を追い抜く走りを見せた。このお馬さんは蒙古馬の血が入っているらしく力も強いらしい。見た目はそんな感じはないが、走りはその血統を感じさせた。
全身に汗をかきつつも、まだまだ元気なお馬さんと別れると一旦ホテルに戻った。
まだ夕食までには間があるので自由時間になった。
1時間ほど休憩してから散歩に出たので、遠出はせずにすぐに帰ってきた。
いよいよ今回の旅でもメインといえる食事「孔府家宴」だ。
…と、その前に自由時間を使って岡崎先生がなんと例の「令狐冲」まで行ってきて写真を撮ってきたという。
さすがというかチャレンジャーなところは相変わらずで、佩服するほかない。

ということで、帰国後にも調べた「令狐冲」の情報を公開!
公式HP
「窯烤活魚」という魚料理がメインのかなり大規模な全国チェーン店だった。
メインの魚を選んで、トッピングをいろいろのせて焼いてもらうシステムらしい。
店の壁とかポスターにある人物は、おそらくネットゲーム「笑傲江湖オンライン」(キャラデザは新笑傲江湖のドラマを元にしているのが多い)のCGと、そのゲーム公式のコスプレイヤーがやっている"東方不敗"のようだ。
「令狐冲」の名前の通り、メニューには笑傲江湖絡みのものが多数ある。
メインの魚ではなく、他の焼き物料理に名前がついている。
任我行-羊肉串 林遠図(林平之の曽祖父)-クルマエビ
林平之-豆腐 左冷禅-スルメイカ 岳霊珊-手羽中
儀琳-サヨリ 余滄海-焼き茄子 黒白子-羊の腎臓
曲洋-心臓の血管 平一指-えのき茸
風清揚-焼饅頭 田伯光-焼餅
そして東方不敗は…羊の睾丸、でした(^^; ちなみに羊の睾丸は「白腰」だそうです。
reiko01.jpg令狐冲メニュー
令狐冲は店の名前だからまだしも盈盈はいないの?という方、ご安心ください。「任盈盈の手作りドリンク」という謎のメニューで登場しています!あ、岳不羣はいません(^^;
なお、店舗によってはメニューが武侠キャラではないところもあるようなのでご注意ください。

ああ、孔府家宴までたどり着かなかった(^^;

つづく

ラベル:武侠ツアー
posted by 八雲慶次郎 at 19:13| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする

2016年09月06日

琅琊榜ロケ地を巡る旅

昨年中国で放送されるや空前の大ヒットし各賞を総なめした歴史ドラマ『琅琊榜』。
日本でもチャンネル銀河、現在はBSジャパンで放送され、その面白さにファンが激増中です!

そんな中、ファン垂涎のツアー企画が登場!
琅琊榜ロケ地を巡る旅
主にドラマのロケに使われた、街ごとロケセットのおなじみ・横店、神雕侠侶の襄陽城で知られる象山影視城、自然景観の見事な雁蕩山の3つを巡ります。
どこも琅琊榜を見た人なら「あのシーンの場所だ」となること請け合いです。さらに劇中に登場した料理も味わえるかも!?

日程 2016年11月17日(木)~23日(水/祝) 7日間
費用 16500円(個室利用時は+27000円)
募集人数 20名(最小催行人員10名)
募集締切 9月30日

お問い合わせ 
日中平和観光(株) http://www.nicchu.co.jp/
詳細はパンフレットを御覧ください。(pdfファイルです)

posted by 八雲慶次郎 at 21:22| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする

2016年09月05日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その3 8月20日

2016山東ツアーマップ

続いて、孔子とその末裔の邸宅「孔府」の観光。
20160820n.jpg聖府
正式名は「衍聖公府(えんせいこうふ)」といい通称「聖府」です。480もの部屋があり、明、清の皇帝の宮殿に次ぐ程の規模があるらしい。
孔子の76代目の嫡孫・孔令貽(こうれいい)までの一族がここで暮らしていた。
20160820o.jpg皇帝が来た時だけ開かれる門。
ナニ陛下が来られているというのに開けないとはケシカラン!!…あ、ナニ陛下は365日お忍びなので、扱いは一般人と同じでいいのでした。
孔府は孔廟と違って生活する空間なので細かく区切られ、男女の居住区も完全にわけられています。
20160820p1.jpg戒貪図
居住区の出入り口、家から出るときには必ず見る場所にこの色鮮やかな壁画があります。
麒麟っぽいのは「貪」という神獣で、正確には「犭貪」という字です。
この「貪」は字の通り貪欲で、脚やヒゲやらで持っているのは八仙の8の宝物。それでもまだ満足できず、太陽も飲み込もうとしている、という図です。
贈収賄などがはびこる官吏に関わることの多い一族ゆえに、この図を見て日々戒めるようにという家訓なのです。
20160820p.jpg細い路地
家具など貴重な家財を持ちだされないよう、ところどころが極端に狭く作られていますが、家財より王さん(巨体)が通れるかが心配になりました(^^;
通ってきたのはごく一部なのでわかりませんでしたが、孔府には庭が9つもあるそうで特に立派なのは孔家に嫁いだ娘のために乾隆帝が作ったもののようです。
20160820q.jpg六代含飴
乾隆帝の娘が孔家72代目に嫁いだ。当時の孔府は67代目が長命で六世代が同居していたこともありなかなか身の置き場もなく辛いと娘が訴えてきたため乾隆帝は「六代含飴」の扁額を贈り、辛くても甘い飴を口に含んだように気分よく六代仲良く暮らせるように…つまり、わしの娘だからちょっと甘くしてやってくれと頼んだようです。
この飴は、伸ばして作る柔らかい飴ですが、別に特別なものではありません(^^;

広い孔府から出る頃にはお昼になっていました。昼食のために移動開始。
20160820q1.jpg馬車
曲阜の中心部では、こんな馬車をよく見かけます。でも我々は普通のバス停からバスに乗ります。
20160820r.jpg銘座杏壇賓館
玄関前に剣を佩いた孔子像がある銘座杏壇賓館で昼食。ビールは魯ビールです。
20160820r1.jpg
20160820r2.jpg緑のは危険
20160820r3.jpg20160820r4.jpg20160820r5.jpg
20160820r6.jpg出演・ナニ陛下(手)
今回の旅では、こんな風に包んで食べるものが毎回のように出てきました。

食事の後は武侠ツアー恒例の本屋です。
20160820s.jpg新華書店
もっと広いのかと思ったらワンフロアだけでした。皆さん思い思いに買い物をしましたが、買ったものの受け渡しが面倒くさい店でした。
たとえ支払の後でも、持ったまま店にまた入ろうとするとセンサーに引っかかるので一度出ると入れません(^^;
買った本も、センサーを出たところで渡してもらえます。

買い物を終え再びバスに乗り、次は孔林へと向かいます。
そのバスの中で見かけたのが、あの「令狐冲」!
20160820t.jpg「令狐冲」
今度は多くの人が目撃しました。どうやら魚料理の店のようです。
なぜに令狐冲が魚料理??
一般の人も乗っているバスなので止めてもらうわけにも行かず、一行は???となりながらも孔林と向かった。

つづく

ラベル:武侠ツアー 武侠
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2016年09月01日

岡崎由美先生と行く山東武侠ツアー その2 8月19日~20日

2016山東ツアーマップ

タクシーの車窓からあっという間に消え去る「令狐冲」。
おそらく飲み屋とかレストランなんだろうが、この時点では解明できるはずもない。
曲阜の街なかをしばらく走ると、今日の宿・闕里賓舎に到着した。
雨は小降りになっていたが、濡れないよう慌ただしくホテルのロビーに走りこむ一行。
この時すでに21時を過ぎており、部屋に入ることなくすぐさま夕食になった。
20160819f.jpg20160819g.jpg夕食
スタッフが待ち構えていたからか、次々と料理が運ばれてくる。15品以上はあっただろう。
山東らしく野菜が豊富で、程良い味付けで美味しい。王さんが四大料理で山東料理が一番と胸とお腹をはっていっていたが、日本人の味覚にもあう味わいだ。
ビールは青島の純生。王さん曰く、青島ビールでも山東の水で作ったものは美味しいが、他の工場で作ったものはあまり美味しくないらしい。
20160819h.jpg
上を見上げると、さすがに孔子に関係ありそうな装飾があちこちに施されている。
孔廟、孔府の直ぐ側にあり、国家元首クラスも泊まりにくるだけあり、なかなか立派なホテルである。
初日から慌ただしかったが、もう一泊ここで泊まるので明日の朝は比較的のんびりだ。
中庭をぐるりと囲むように建てられた四合院ぽい作りのホテル。なにはともあれ部屋に入り、それぞれくつろいだ。

8月20日
雨は上がり、曇ってはいるものの過ごしやすい一日になりそうだ。
20160820a.jpg闕里賓舎 玄関
朝食までに散歩した人も多いようだ。玄関横には柘榴やカリン?の木が植えられていた。
20160820b.jpg闕里賓舎 中庭
他の庭の幾つかの木には洗濯物も干してあった。孔子も洗濯はしただろうから、仕方あるまい。

朝食後、徒歩で観光に出る。孔廟、孔府はホテルからすぐそこにある。
20160820c.jpg店に並ぶ孔子グッズ
ネタにはなるものの武侠ツアーのお土産にはインパクトが弱く、まだ2日目なので横目で見るだけだ。
曲阜の街は、ほとんどが孔子絡みの商売だと感じた。
しばらく歩くと王さんがストップした。
20160820d.jpg闕里
中華街の入口などで見る門があった。通常はこれを「坊」と呼ぶ。(坊は横丁とか◯◯通りのような感じ)
しかし、皇帝の城やそれに準ずるものは「闕(ケツ)」と呼ばれることがある。孔子に対し敬意を払い、孔子の一族が住む一帯を「闕里(ケツリ)」と呼んだ。「里」は内側の意味だ。ホテルも闕里にあることから名前がついている。

20160820e.jpg孔廟入口
ここの文字は乾隆帝のもの。この後もしつこいくらい乾隆帝が関わるものが出てくるので、以下略されることも多いのであしからず。
さて、この孔廟は半端無く広い。幾つもの門や坊を抜けて奥へ奥へと続いている。中には柏の巨木古木が無数に立ち並んでいる。
中には乾隆帝がお手植えした(すでに代替わりしている)とか、触れた木が龍のごとく変形したとか、いろいろと曰くがあるものも多い。
しかし、ここは孔廟なので詳細は出来るだけ省く。省かせてくれ。
20160820f.jpg至聖廟坊
「聖」というのはここでは孔子のことである。各地に孔子廟、孔廟と呼ばれるものはあるが、曲阜の本家本元は孔子の名を出さずに敬意を込めて「至聖廟」とか「聖府」、「至聖林」などと呼ぶのだ。
王さん曰く、他の孔子廟はニセ物らしい。

孔廟の中には多くの石碑が在る。大きさも年代も様々だ。
だがその殆どに修復の後がある。文革で紅衛兵が破壊したためだ。他の建物や文物も焼失するなどの被害を受けている。
20160820g.jpg亀と贔屓
石碑を背中に背負っている生き物を「亀趺(キフ)」と呼ぶ。↑画像の左が亀で、中央が「贔屓(ヒイキ)」という竜の子供のひとつとされる聖獣だ。
贔屓が歴史上に現れるのが明代の頃なので、それ以前の石碑は亀が背負っている。
贔屓は「依怙贔屓する」の贔屓である。諺に「贔屓の引き倒し」というのがあるが、贔屓をし過ぎるとかえってその人のためにならない、という意味だが、石碑を背負っている贔屓を引っ張り過ぎると石碑が倒れてくるから、というのが語源らしい。引っ張るなよ、絶対に引っ張るなよ!
なお、背負っている石碑が重い(立派)なほど、贔屓がしんどいので口が開いているということだ。
20160820h.jpgちょっとしんどい贔屓
亀と贔屓の見分け方は、頭の形状でわかるが、亀ぽい贔屓とかもいるので足とかに竜のような作りがないかも見ないといけない。まあわからない時はどっちも亀趺ということで問題なし。
皇帝しか歩けない真ん中の道を、ナニ陛下に歩いてもらいつつ進むと大成殿の前の広場に出る。
20160820h1.jpg杏壇
杏壇(キョウダン)と呼ばれるこの場所は、孔子が弟子たちに講義をした場所と伝えられている。
そして、故宮の太和殿、泰山の岱廟とともに中国三大宮殿建築と言われる大成殿。
20160820i.jpg大成殿
大きさは太和殿ほどではないが三大宮殿とよばれる所以はこれにある。
20160820j.jpg大成殿の柱
大成殿を支える28本の石柱は、それぞれ一つの石から削りだされたものだ。特に正面の10本の柱の龍の装飾はすばらしく、皇帝がこの柱を見て嫉妬するのを防ぐために、皇帝が曲阜に来た時は布で覆い隠したという。
大成殿にある扁額にも乾隆帝の逸話があるが略す。字はうまいが、なんかやることがせこい。
大成殿では毎日孔子を祀る儀式が古式に則り行われるが、人が多すぎてほとんど見えなかった。残念。

そして登場する秘密兵器・360°カメラ
大成殿360°画像
今後も所々で360°画像を紹介します。

一行は孔府に向かうため移動を開始。途中こんなのがいた。
20160820k.jpg20160820l.jpg20160820m.jpg
可愛いが、孔子の扱いに一抹の不安を感じる。そしてこの日の夜、それを目の当りにすることになるとは…。

つづく

ラベル:武侠ツアー 武侠
posted by 八雲慶次郎 at 22:05| 兵庫 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 武侠 | 更新情報をチェックする
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